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特集 婦人科腫瘍の新たな治療戦略

婦人科がんとがんゲノム医療

平沢晃

Pharma Medica Vol.37 No.2, 9-14, 2019

昨今,「ゲノム医療」という言葉を連日のように耳にする。特にがん領域においては,治療薬の標的となる遺伝子の病的バリアント(変異)を同定して,がんの個性に応じた治療法を提示する「がんゲノム医療」が実用化されている。
2018年にわが国の厚生労働省は,全国11の「がんゲノム医療中核拠点病院」と135の「がんゲノム医療連携病院」(2018年12月現在)を指定し,多遺伝子パネル検査を用いた臨床実装と,がんゲノム知識データベースの構築に向けた展開が開始された。現在は多遺伝子パネル検査を用いたがんゲノム医療を公的医療保険のもとで実施する準備が進められている。
一方で今後は抗がん剤のコンパニオン診断やがんクリニカルシーケンスを契機に遺伝性腫瘍の生殖細胞系列病的バリアント(変異)が検出される機会が増えてくる。このことはがんクリニカルシーケンスやコンパニオン診断を行うことによって,がんの治療方針決定のみならず,本人の二次がん発症リスクの推定,および血縁者が生殖細胞系列バリアントを保持している可能性を有することがわかることを意味する。
本稿ではがんゲノム医療を取り巻く最新動向と課題について,婦人科がんとの関連を念頭に述べる。
「KEY WORDS」がんゲノム医療,婦人科がん,遺伝性腫瘍,個別化医療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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