高齢者に多い外傷性脊椎疾患には骨粗鬆症性椎体骨折のみでなく,非骨傷性頸髄損傷や歯突起骨折がある。いずれも四肢麻痺や呼吸停止という重篤な症状を生じ得る危険な外傷である。超高齢社会の到来に伴い,これらの外傷性脊椎疾患の診療に関わる機会が増えてくると予想される。本稿では高齢者の非骨傷性頸髄損傷や歯突起骨折の特徴や治療について概説する。
「KEY WORDS」高齢者,非骨傷性頸髄損傷,歯突起骨折,前方歯突起スクリュー固定,C1-2後方固定術