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特集 超高齢社会の健康長寿を脅かす脊椎疾患―最新のトピックス―

【神経障害】腰部脊柱管狭窄症の病態と保存的治療

長本行隆

Pharma Medica Vol.37 No.1, 17-20, 2019

腰部脊柱管狭窄症は,1954年Verbiestが報告して1)以来広く認識されるようになり,高齢化が進むわが国や先進諸国において,本症の診療機会はますます増している。また,高齢者が運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態に陥る,いわゆるロコモティブシンドロームの観点からも,対策が急務とされる運動器疾患の1つである。本症の特徴的症状は間欠跛行であり,安静時には症状はないが,短距離あるいは短時間の歩行により,下肢痛やしびれなどの歩行障害の原因となる症状が出現し,休息により症状が改善するというものである。この間欠跛行には,血管性のものや,脊髄性のものもあり,身体所見や画像所見から鑑別を進めていく。本症に対する治療は重症例には手術療法が選択されるが,中等症までであれば初期治療の原則はまず保存的治療である。本稿では,腰部脊柱管狭窄症の疾患概念,病態について概説し,各種保存治療の紹介とその効果と限界について説明する。
「KEY WORDS」腰部脊柱管狭窄症,保存治療,病態,薬物療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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