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特集 心不全診療の現状と展望

心不全の緩和ケアは新しい概念なのか

大石醒悟

Pharma Medica Vol.36 No.12, 59-63, 2018

医療の発展はわが国において寿命の大幅な伸長をもたらし,循環器領域においても急性心筋梗塞の救命率の向上,血管内治療による弁膜症の治療法の開発,補助人工心臓の発展,心筋シートの臨床応用などその恩恵はあげればきりがない。しかし,その一方で,医療の発展に伴い,根治することが困難な心不全患者が増加の一途を辿っており,患者が心不全という慢性疾患を抱えながら人生の最終段階までquality of life(QOL)を保ちながら生きる方法論である,緩和ケアの重要性が再認識されている。2018年に上梓された,『急性・慢性心不全診療ガイドライン』1)でも後に述べるACP(Advance Care Planning)の実施や治療抵抗性の症状に対する症状緩和を目的とした薬剤使用についてClass Ⅰの推奨度が示されたことや,一定の条件が満たされる場合に末期心不全への緩和ケア提供が緩和ケア診療加算で保険算定可能となった2)ことからも時代が変遷してきていることは明白である。本稿では“心不全の緩和ケアは新しい概念なのか”をテーマに緩和ケアの歴史を学ぶことから心不全の緩和ケアについて概説する。
「KEY WORDS」緩和ケア,ACP(Advance Care Planning), 人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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