<< 一覧に戻る

特集 ビヨンドコレステロール時代の動脈硬化リスク管理

CKDにおける動脈硬化対策

柏原直樹山内佑山本稔也板野精之

Pharma Medica Vol.36 No.10, 77-80, 2018

腎障害の成因,臨床的意義が変化している。近年は,軽度腎機能低下やアルブミン尿などの検尿異常を呈した段階で心血管疾患(cardiovascular disease;CVD)すなわち心筋梗塞,脳卒中などを高率に発症するようになった1)。慢性腎臓病は動脈硬化症のリスク因子である。
背景には,生活習慣変化と急速に進む高齢化が関与している。生活習慣病や加齢と関連した腎障害が増加している。日本を含む先進諸国においては,腎臓病・腎障害の成因そのものが大きく変化している。
腎障害を早期に発見するために慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)という概念が提唱された。高血圧,糖尿病,メタボリックシンドロームなどの生活習慣病患者,高齢者のなかに数多くのCKD該当者が存在している。高リスク者を早期に発見しCVD発症を抑制するために,非専門医,かかりつけ医,あるいは広く国民全般に容易に理解できる簡潔な疾患概念が必要となったのである。
CKDは認知機能障害とも関連することが判明している。国民の健康寿命を延伸するためにもCKD対策(早期発見,予防,重症化抑制)が必要である。
「KEY WORDS」CKD,アルブミン尿,蛋白尿,推算GFR,動脈硬化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る