特集 ビヨンドコレステロール時代の動脈硬化リスク管理
高尿酸血症の動脈硬化リスクとしての意義とそのメカニズム
Pharma Medica Vol.36 No.10, 73-76, 2018
血清尿酸値が7mg/dLを超える状態と定義される高尿酸血症では容易に尿酸結晶が形成され,痛風関節炎や尿路結石の原因となる。一方で,高尿酸血症では生活習慣病や臓器障害が合併することが知られ,動脈硬化の危険因子となる可能性が示唆されている。実際に高尿酸血症には心血管疾患や脳卒中が高頻度に合併しやすいことは周知の通りである。動脈硬化は病理学的にはアテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化),細動脈硬化,中膜石灰化硬化(メンケベルク型動脈硬化)に分類されるが,高尿酸血症がどの病態に影響するかは明らかではない。また,動脈硬化の発症機転には血管内皮機能障害が重要であるが,高尿酸血症との関連も不明な点が多い。本稿では,高尿酸血症と動脈硬化の関連について臨床的・基礎的観点から論じてみる。
「KEY WORDS」尿酸,動脈硬化,血管内皮機能,キサンチン酸化還元酵素,尿酸輸トランスポーター
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