特集 ビヨンドコレステロール時代の動脈硬化リスク管理
糖尿病における粥状動脈硬化の成因とその対策
Pharma Medica Vol.36 No.10, 51-56, 2018
糖尿病は動脈硬化性疾患発症の高リスク群である。高血糖やインスリン抵抗性および代償性の高インスリン血症,そして高血圧や脂質代謝異常などさまざまな要因により血管内皮機能障害をもたらし,血管平滑筋細胞やマクロファージの活性化を亢進させることなどの機序により,血管壁の石灰化のみならず粥状動脈硬化を進展させる。
最近では,GLP-1(glucagon-like peptide 1)受容体作動薬やSGLT2(sodium-glucose transporter 2)阻害薬など新たに登場した糖尿病治療薬が動脈硬化性疾患の発症リスクを軽減させたという大規模臨床試験の結果が注目されている。
本稿では,糖尿病と粥状動脈硬化との関連について概説し,あわせて糖尿病患者への動脈硬化性疾患発症リスク減少に向けた治療介入のあり方について述べる。
「KEY WORDS」糖尿病と粥状動脈硬化,脂質代謝異常, 動脈硬化性疾患予防への包括的リスク管理,糖尿病治療薬
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