特集 ビヨンドコレステロール時代の動脈硬化リスク管理
Atherogenic hypertriglyceridemiaの新しい治療薬,選択的PPARαモジュレーターの意義
Pharma Medica Vol.36 No.10, 23-27, 2018
従来のPPAR(peroxisome proliferatoractivated receptor)αリガンドであるフィブラート薬に比較して,標的作用が大きく,標的外作用が小さいPPARαアゴニストとして選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)が開発された。SPPARMαとは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(selective estrogen receptor modulator;SERM)にならって,Jean-Charles Fruchartによって提唱された概念である1)。結合するリガンドによってPPARの立体構造に違いを生じ,そのために,結合するコアクチベーターやコリプレッサーの種類が異なり,標的遺伝子にも差を生じる可能性がある。特に,脂質異常症や脂肪肝への有効性が高く,肝障害,血清クレアチニンやホモシステインの増加などの副作用が少ないものをSPPARMαと定義した。
ペマフィブラート(K-877)は,現在最も期待が寄せられているSPPARMαである2)。ペマフィブラートの化学構造は,PPARαのリガンド結合領域とAF-2領域での相互作用において重要な構造を導入し,それらをつなぐスペーサーの結合位置や長さ,側鎖の種類や長さが異なるさまざまな構造を検討した結果,PPARαに対して最も高活性かつ高選択性のものが見いだされた。フェノフィブリン酸に比して,PPARαのリガンド結合ポケットを形成するアミノ酸とより多数の相互作用を示す結果と解釈される3)。
「KEY WORDS」トリグリセリド,動脈硬化,HDL,糖尿病
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。