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特集 てんかん診療Update

日本のてんかん診療ネットワーク

山内秀雄

Pharma Medica Vol.36 No.8, 65-68, 2018

わが国のてんかんの発症率は概算で100人に0.7といわれており1),てんかん人口は約100万人であると推定されている。てんかんは年齢別にみた場合,小児期と高齢者の2つのピークがあり,最近では特に高齢者においててんかんと診断される機会が著増してきている。これから高齢化社会が特に進むわが国では,ますますてんかん人口が増加していくことが推定される2)。また,生涯けいれんをきたす割合は10%程度といわれているが,最終的にてんかんと診断されなくても,一次診療においても「てんかん」が鑑別診断に含まれる機会は多いと考えられる。医療者側からみても患者側からみても,てんかんという疾患が社会のなかで正しく理解され,適切な医療が行われるようになることへの重要性は明らかである。本稿では,わが国におけるてんかん診療の現状と問題点を提示し,その解決に向けての重要なキーワードであるてんかん診療ネットワークについて,私見を交えながら述べたいと思う。
「KEY WORDS」ネットワーク,てんかん診療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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