特集 てんかん診療Update
妊娠と抗てんかん薬
Pharma Medica Vol.36 No.8, 39-43, 2018
女性のてんかんは女性ホルモンと密接に関連して変化し,前思春期から妊娠・出産の時期を経て閉経に至るまで,月経周期に関連して発作の増減などさまざまな変化がみられることが少なくない1)。なかでも特に妊娠に際し,女性は自身の発作の変動の心配に加え,発作や抗てんかん薬の胎児に対する影響の不安に直面する。こういった女性特有の問題を知り,患者や周辺の家族の不安を少しでも取り除くために,医療従事者は,抗てんかん薬と妊娠について十分知識を深め,気軽に相談できる体制を整えておく必要がある2)。
本稿では妊娠,出産,授乳においててんかん患者が遭遇する抗てんかん薬の薬物動態の変化や,出産する児に対する影響について解説したい。
「KEY WORDS」てんかん,妊娠,抗てんかん薬,薬物動態
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。