特集 てんかん診療Update
特集にあたって
Pharma Medica Vol.36 No.8, 7-8, 2018
本号では,「てんかん診療Update」を特集いただきました。
てんかんの有病率は全人口の1%弱で,わが国では患者数100万人を超える代表的な中枢神経疾患です。米国のCDCの2015年推計では人口の1.2%となり,てんかんは今や小児から高齢者まで幅広く各年代層で新たに発症する国民病ということができます。21世紀になり,超高齢社会では高齢発症のてんかんが急増し,認知症や脳卒中でのてんかんの合併率は通常人口での有病率の8倍以上です。また新たに「自己免疫てんかん」という新たな病態も明らかになってきました。
21世紀は,てんかんの病態が新しい時代に応じて変遷するだけではなく,基礎医学と臨床医学の目覚しい進歩に伴い,遺伝子診断の進歩,新規の画期的抗てんかん薬の登場,新しい治療手段としてのてんかん外科の多様化,ケトン食療法の再評価,新しい発作分類と疾患分類など,枚挙にいとまがありません。また,IT社会を基盤にてんかん診療も効率的にネットワーク化することが本格的に始動しようとしています。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。