糖尿病治療の目標は、血糖、血圧、脂質、体重などを良好にコントロールすることで合併症を予防し、糖尿病患者が健康な人と変わらない生活を送れるようにすることです。
さまざまな食事療法のアプローチがありますが、今回は循環器系疾患の合併症を防ぐため、糖尿病患者によくみられる脂質異常に考慮した食事療法について紹介します。
糖尿病患者の心血管疾患発症リスクは心筋梗塞になったことがある人と同じくらい高いことがわかっています。内臓脂肪が蓄積し体重が増加すると、糖を細胞内に届けるために必要なホルモン「インスリン」が効きにくくなり血糖値が上昇しやすくなります。また、インスリンには、血中の脂質を脂肪組織に取り込む作用もあるため、インスリンが効きにくくなると、血中の中性脂肪が増加することになります。またこれに伴い、HDLコレステロール(善玉)が減ったり、LDLコレステロール(悪玉)が増えたりします。