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特集 糖尿病治療薬の循環器系への作用~その光と影~

グリニド

黒住旭岡田洋右

Pharma Medica Vol.36 No.6, 27-32, 2018

2型糖尿病は,インスリン分泌低下とインスリン抵抗性を背景に相対的なインスリン作用不足により発症する疾患である。特に日本人の2型糖尿病患者では,食後のインスリン初期分泌反応が低下している。速効型インスリン分泌促進薬であるグリニド薬は,このインスリン分泌パターンを生理的なインスリン分泌へ改善し,食後高血糖を改善する薬剤である。代表的なインスリン分泌促進薬であるスルホニル尿素(SU)薬で問題となる低血糖や体重増加は,グリニド薬で問題となることは少なく,食後高血糖も改善することから大血管障害予防の観点からも有用な薬剤である可能性がある。本稿ではナテグリニドをはじめとしたグリニド薬の多面的効果を含めた循環器系への作用を,大規模臨床試験の結果も踏まえて概説する。
「KEY WORDS」グリニド,食後高血糖,動脈硬化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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