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特集 糖尿病治療薬の循環器系への作用~その光と影~

特集にあたって

野出孝一

Pharma Medica Vol.36 No.6, 7-8, 2018

わが国の糖尿病治療ガイドでは,薬物治療の方針を検討する際,薬理作用の異なる複数の糖尿病治療薬の中から患者の病態に応じた選択を行うことが推奨されているのは周知の通りである。高血糖・糖代謝障害は,膵臓からのインスリン分泌だけでなく,肝臓,腎臓,骨格筋や中枢神経系なども含めた多臓器が連関する全身疾患であるため,どのように血糖を下げるのか,また,どのような付随的効果が期待できるのかなど,それぞれの糖尿病治療薬の特性を十分理解しておく必要がある。つまり,糖尿病治療薬間における薬理作用の差異や,内因性インスリン分泌への影響の有無も含めた血糖低下効果など,作用機序が異なる薬剤を必要に応じて適切に組み合わせることにより,心血管系などの非内分泌組織も含めた全身を標的としたより質の高い糖尿病治療に結びつくことが期待される。さらに,低血糖のリスクや心血管系に対する薬剤の安全性に対しても,個々の患者の病態や臨床的背景に応じた十分な配慮が必要である。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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