皮膚は血管炎を発症する頻度の最も高い臓器の1つである。皮膚血管炎は皮膚に限局するものもあれば,IgA血管炎や抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody;ANCA)関連血管炎をはじめ,膠原病などの全身性血管炎の皮膚症状として現れることもある。内臓の血管炎と異なり,皮膚の血管炎症状は肉眼で確認ができ,簡易な皮膚生検による病理診断で,血管炎を迅速に確定診断できるので,早期治療につながる。最も使われている内科医と病理医が作成した2012年チャペルヒルの血管炎分類1)には皮膚科医が全く関与していなかったこともあり,皮膚血管炎疾患が十分に反映されていないため,日欧米の皮膚科医とチャペルヒル血管炎分類の主要メンバーを中心としたグループが6年の歳月をかけた2018年修正版が最近発表された2)。今回は皮膚血管炎の診断のコツとその2012チャペルヒル(Chapel Hill Consensus Conference;CHCC)分類の補足のポイントと展望について解説する。
「KEY WORDS」皮膚血管炎/分類/補足/病理診断/展望