特集 骨髄異形成症候群(MDS)診療の進歩と課題
HighリスクMDSの治療
Pharma Medica Vol.36 No.2, 39-42, 2018
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes;MDS)は造血幹細胞に生じた遺伝子変異によって起こるクローン性の疾患である。MDSは血球減少をきたし骨髄不全を主体とする病態を示す一方で白血病への移行を主体とすることもあり,多様な病態を示す。したがって,一律な治療ではなく,その病態によって治療目標が異なるほうが望ましいと考えられている。治療方針の決定のために1997年に発表された国際予後スコアリングシステム(International Prognosis Scoring System;IPSS)1)と2012年の改訂版(revised IPSS;IPSS-R)2)による予後予測が用いられている。さらに患者年齢や合併症をはじめとする患者側の要因を加え,総合的に治療方針を決定することになる。本稿では,高リスクMDSについて記すこととする。
「KEY WORDS」同種造血幹細胞移植/アザシチジン/TP53/鉄キレート療法
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