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特集 CKD診療のトピックス

HIF stabilizer

~腎性貧血治療への期待~

中西健名波正義倉賀野隆裕

Pharma Medica Vol.36 No.1, 9-12, 2018

慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)に伴う貧血は,ヘモグロビン(Hb)濃度に応じたエリスロポエチン(EPO)産生が不十分であることが主因とされ,さらに二次性副甲状腺機能亢進症に伴う骨髄線維化および尿毒素や慢性炎症による造血障害のみならず,造血に必要な鉄の供給が何らかの原因で不十分になっていることが考えられている。腎性貧血はQOL(生活の質)の低下や心血管合併症,認知機能低下などに始まり,入院・死亡の危険性が高まることが考えられている。
現在腎性貧血治療の中心は,造血を促進する物質を総称した赤血球造血刺激因子(erythropoiesis stimulating agents;ESA)と呼ばれる製剤であり,1990年より遺伝子組み換えヒトエリスロポエチン製剤(recombinant human EPO;rHuEPO)が臨床応用できるようになった。さらに本来のEPO構造に糖鎖を付加したダルベポエチンやmethoxy polyethylene glycolを化学的に結合したエポエチン ベータ ペゴルが登場し,血中半減期が従来のrHuEPOに比して5~10倍長いことから,さらなる投与間隔の延長を可能にしている1)
「KEY WORDS」腎性貧血/HIF stabilizer/ヘプシジン/鉄代謝

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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