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特集 うつ病診療のトピックス

うつ病はなぜ増えたか

冨高辰一郎

Pharma Medica Vol.35 No.12, 55-58, 2017

現在の操作的診断基準においては抑うつ症状(抑うつ気分,意欲の低下,不眠,倦怠感など)が一定期間存在すればうつ病と診断される。ストレス仮説の視点からみれば,うつ病増加にはストレス増加が強く影響したとみなされやすい。しかしマクロの視点からみると,抑うつ症状の分布は頑強(robust)である。それにも関わらず,欧米では1990年代に,日本では2000年代にうつ病患者(受診者)が増加した。本稿ではまず抑うつ症状の分布の安定性について述べる。その後,先進国におけるうつ病増加の背景について説明する。
「KEY WORDS」うつ病/疾患啓発活動/選択的セロトニン再取り込み阻害薬/指数分布

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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