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特集 肥満症とメタボリックシンドローム:予防医学と治療医学の観点から

アディポサイトカイン分泌異常の肥満症・メタボリックシンドロームにおける意義

大橋浩二大内乗有

Pharma Medica Vol.35 No.11, 29-31, 2017

メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積を基盤として,2型糖尿病,脂質代謝異常,高血圧などを個人的に集積させ,最終的に動脈硬化性疾患を引き起こす病態である。しかしその詳細な分子メカニズムに関しては明らかではない。脂肪組織はアディポサイトカインと総称される生理活性物質を分泌し,近傍や遠隔臓器のさまざまな病態に関与する。アディポサイトカインの多くはTNF-α(tumor necrosis factor-α),IL-6(interleukin-6),MCP-1(monocyte chemoattractant protein-1)のように炎症惹起性であるが,一方でアディポネクチン,アディポリンは肥満でその発現が低下する抗炎症性のアディポサイトカインであり,肥満関連疾患,すなわち2型糖尿病,高血圧,さらには動脈硬化に対して防御的に作用することが報告されている。本稿では,アディポネクチン,アディポリンについて,筆者らの事件例を中心に概説する。
「KEY WORDS」アディポサイトカイン/アディポネクチン/アディポリン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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