特集 肥満症とメタボリックシンドローム:予防医学と治療医学の観点から
内臓脂肪蓄積の代謝異常,血管障害に与える影響
Pharma Medica Vol.35 No.11, 25-28, 2017
内臓脂肪は腹腔内大網,腸間膜周囲に存在する脂肪組織である。内臓脂肪の生理学的役割は,皮下脂肪に比べて脂肪合成,分解活性が高く,絶食時や飢餓時などに,貯蔵しているトリグリセライド(TG)を分解し,遊離脂肪酸とグリセロールを門脈を介して肝臓に供給することである。近年,栄養過多や身体活動不足により,内臓脂肪が蓄積している例が増加している。内臓脂肪が蓄積すると,遊離脂肪酸とグリセロールが過剰に肝臓に直接流入し,糖代謝異常,脂質代謝異常につながると想定され,生活習慣病の病態として内臓脂肪は注目されている。そこで,本稿では内臓脂肪蓄積の代謝異常と血管障害に与える影響について述べる。
「KEY WORDS」メタボリックシンドローム/VLDL/炎症
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