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特集 肥満症とメタボリックシンドローム:予防医学と治療医学の観点から

肥満症という疾患概念の意義と診断基準

春日雅人

Pharma Medica Vol.35 No.11, 9-11, 2017

日本肥満学会の肥満症診断基準検討委員会は2000年に,委員会報告を発表している1) 。この委員会報告では,肥満をBMI[body mass index:体重(kg)÷身長(m) 2 ]で判定する場合,肥満に関連する各種健康障害の合併は必ずしもBMIだけで規定されるものでなく,他の要因,たとえば体内における脂肪分布などによっても規定されることを明記している。したがって,この委員会報告では、単に身体状況として捉える肥満と,肥満に起因ないし関連し減量を要する健康障害を有する「肥満症」とを明確に分類することが,医学の分野ではきわめて重要なことであるとして,「肥満症」なる概念とその診断基準を提唱し,2002年にはその内容を「Circulation Journal」に英文で発表した2) 。その後,日本肥満学会では,2006年に「肥満症治療ガイドライン2006」,2011年には「肥満症診断基準2011」を発表し,2016年には「肥満症診療ガイドライン2016」を刊行した。この間,肥満症に関する考え方は一貫して引き継がれている。
「KEY WORDS」BMI/内臓脂肪型肥満/MHO

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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