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特集 ロコモティブシンドローム,サルコペニアとフレイル:それらの概念・現状と将来展望

フレイル 地域医療におけるフレイルの役割

高橋競飯島勝矢

Pharma Medica Vol.35 No.10, 59-63, 2017

超高齢社会を迎えたわが国において,フレイルへの関心が高まっている。日本老年医学会はフレイルを,「高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し,生活機能障害,要介護状態,死亡などの転帰に陥りやすい状態で,筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず,認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題,独居や経済的困窮などの社会的問題を含む概念」と定義している1)。フレイルは,加齢による衰えを早期に発見し,健康寿命を延伸することを念頭に打ち出されたものであるが,疾患や障害を抱えながら地域で安心して暮らすための「地域医療」というコンテクストにおいても重要な役割を担っている2)。本稿では,地域医療におけるフレイルの3つの役割(連携を促す「共通言語」,目標設定の上方修正,受け皿の充実化)について述べる。また,われわれが千葉県柏市とともに取り組んでいるフレイル概念導入の現状を紹介したい。
「KEY WORDS」地域医療,フレイル,多職種連携

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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