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特集 ロコモティブシンドローム,サルコペニアとフレイル:それらの概念・現状と将来展望

ロコモティブシンドローム ロコモティブシンドロームの概念・現状と将来展望

中村耕三吉村典子田中栄

Pharma Medica Vol.35 No.10, 9-13, 2017

ロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)は,運動器の障害によって「立つ」,「歩く」という移動機能が低下した状態をいう。2007年,日本整形外科学会から提唱された,未病の状態を含む広い概念で,人の移動障害の原因,症状,評価法,対処法を提案したものである1)
わが国は現在,超高齢社会を迎え,すでに人生100年時代が視野に入っている。人生100年時代では大部分の人が人生の後半に運動器の不調による移動機能の低下を経験する。このことは,高齢になった人の移動機能低下への対策の重要性を示すと同時に,小児期を含む人生のさまざまなステージで,運動器の健康を保てるよう,これまでにない新たな工夫が必要になったことを示している。
ロコモは,国の健康増進の基本方針である健康日本21(第2次)(平成25年~34年)の具体的な目標の1つとしてその認知度向上が掲げられている2)。長寿社会を迎えたわが国における喫緊の課題の1つである。
「KEY WORDS」歩行,運動器,未病,超高齢社会

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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