高齢者肺炎は,誤嚥性肺炎がほとんどを占める。この肺炎は,細菌感染症としての肺炎と老年病としての嚥下障害の2つの側面をもつ疾病である1)-3)。そこで,予防と治療のためには,抗菌薬治療に加えて,嚥下障害の対策を立てることが必要になる。本稿では,誤嚥性肺炎の病因論からみた嚥下障害の考え方とその対策を解説する。
「KEY WORDS」ACE阻害薬,嚥下指導,口腔ケア,栄養療法