先進国のなかでも群を抜いて高齢化率が高いわが国において,高齢者の肺炎による死亡率は著しく上昇している。高齢者の肺炎は誤嚥性肺炎が多いとされているが,誤嚥性肺炎の疾患概念,割合,市中肺炎全体における予後へ影響はあまり明確に示されることがなかった。本稿では,誤嚥性肺炎という疾患を臨床的,科学的に捉えた場合の問題点を提示しながら,市中肺炎における誤嚥性肺炎の予後への影響を論じる。
「KEY WORDS」嚥下障害,肺炎,誤嚥,予後