気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)は好発年齢,危険因子,症状経過など多くの相違点があり,典型例では両者の鑑別は容易だが,実臨床においては喘息とCOPDの臨床的特徴を併せもつ患者が少なからず存在する1)2)。そのような合併例(Asthma-COPD Overlap;ACO)の臨床的特徴として,増悪頻度が高くQOLが低下していることが示されており3)4),吸入ステロイドと長時間作用性気管支拡張薬による治療が第一選択となる5)。したがって喘息かCOPDか診断に迷う症例や難治例では,合併例の存在を念頭において精査する必要がある6)。本稿ではACOの可能性がある場合に用いられる臨床検査所見,バイオマーカーについて解説する。
「key words」気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患,Asthma-COPD Overlap,バイオマーカー
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