【特集 ACO:喘息とCOPDのオーバーラップ】
              
 特集にあたって
                  掲載誌
                
 
                  Pharma Medica
                  Vol.35 No.7 7-8,
                  
                    2017
                  
 
                    著者名
                  
  
                          玉置淳
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          呼吸器
                        / 
                          アレルギー・免疫
                        
                    診療科目
                  
  
                          呼吸器内科
                        / 
                          老年科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      Pharma Medica
                    
 喘息とCOPDのオーバーラップ(Asthma-COPD Overlap;ACO)は,いうまでもなく喘息とCOPDが同時に存在する病態であり,近年多くの注目を浴びている。喘息もCOPDも気流閉塞をきたす呼吸器疾患であり,喘息の基本病態は中枢から末梢気道の好酸球優位の炎症に起因する可逆的な気道狭窄が特徴である。これに対してCOPDは好中球性炎症が優位で,末梢気道の線維化性狭窄病変や肺胞の気腫性変化に代表される特有の構築変化がみられ,これらの末梢気道病変と気腫性病変が複合的に作用して気流閉塞が起きるとされている。喘息とCOPD双方の疾患の特徴を併せもつ患者が存在することは,呼吸器疾患の日常診療において従来より誰もが気付いていたことであり,1962年,米国胸部学会(American Thoracic Society;ATS)が喘息とCOPDの両者の症状を有する疾患を“喘息様気管支炎(asthmatic bronchitis)”と呼称したのが最初である。
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。