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特集 睡眠障害:超高齢社会における実態とその対策

高齢不眠症患者への非薬物療法

角幸頼栗山健一

Pharma Medica Vol.35 No.3, 35-38, 2017

地誌的条件・文化・人種による影響は多少みられるが,50%近くの高齢者が何らかの不眠症状を有するとされており1),加齢に伴い有病率が増加する2)。高齢者不眠の背景に加齢による睡眠生理および心理・社会的変化が強く影響していると考えられ(図1),生活環境・行動因,身体因,精神・心理因を詳細かつ総合的に評価し,これらの不眠への影響をできうる限り排除する非薬物的介入が重要となる。さらに,高齢者は薬剤による有害事象が出現しやすく,高率に併存する身体疾患への影響および既存投与薬剤との交互作用を考慮すると,高齢者不眠症治療のファーストラインは非薬物療法が望ましい3)。
今回,非薬物療法のなかでも科学的有効性が示されている睡眠衛生指導,認知行動療法(cognitive behavioral therapy for Insomnia;CBT-I)について概説する。
「KEY WORDS」高齢者,不眠症,非薬物療法,睡眠衛生指導,認知行動療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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