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特集 睡眠障害:超高齢社会における実態とその対策

高齢者の日中の眠気

岡村毅

Pharma Medica Vol.35 No.3, 15-17, 2017

高齢者の臨床の現場では,日中の眠気を訴える高齢者に遭遇することは多い。しかし,後述するように医学的な説明が適切なケース(たとえば睡眠時無呼吸症候群)もあれば,心理社会的な説明が適切なケース(たとえば定年後に出番と役割を失っている)もあり,対応には特有の難しさがある。高齢者の日中の眠気に正面から向き合うことには,症状だけをみるのではなく,対象者を1人の人として理解する考え方が欠かせない。これは老年医学の基本的姿勢であり,優れた老年内科医や家庭医は自然と実践してきたことである。高齢者の睡眠医学の特集に「日中の眠気」を取り上げることは,本誌の高い臨床志向と考える。本稿では老年精神医学の立場から,この捉えどころのない現象を解明したい。
「KEY WORDS」日中の眠気,高齢者, 日本語版 the Epworth Sleepiness Scale(JESS),心理社会的要因

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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