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特集 プリオン病:その実態に迫る

アルツハイマー病やパーキンソン病もプリオン病か

浜口毅山田正仁

Pharma Medica Vol.35 No.2, 59-66, 2017

Creutzfeldt-Jakob病(Creutzfeldt-Jakob disease;CJD)に代表されるプリオン病は,脳における海綿状変化と異常プリオン蛋白蓄積を特徴とする神経変性疾患である。ウシ海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy;BSE)からヒトへ伝播したと考えられる変異型CJDや,ヒト乾燥屍体硬膜移植や成長ホルモン療法,脳外科手術などによって伝播したと考えられる医原性CJDのように,プリオン病は同種間あるいは異種間で伝播しうるという特徴を有し,それらはしばしば大きな社会問題となっている1)。プリオン病の伝播は,通常の感染症のように細菌,真菌,ウイルスといった核酸をもつ生物が媒介するのではなく,正常なプリオン蛋白(PrPC)とは異なる構造をもつ異常プリオン蛋白(PrPSc)が関与していると考えられている2)。
「KEY WORDS」プリオン病,アルツハイマー病,パーキンソン病,伝播

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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