現時点で,プリオン病はヒトと動物(ヒツジ,ヤギ,ウシ,シカなど)でみられる人獣共通感染症として取り扱われているが,プリオン病がその感染症としての存在を社会で知られるようになったのはヒトの病気からである。現在ではその病気の発見の経緯を知らず,ウシ海綿状脳症(bovine spongiform encephalopathy;BSE,狂牛病)からプリオン病という言葉を知った人が大多数であると思うので,ここでは研究の歴史を時間の経過とともに解説することにする。
「KEY WORDS」プリオン蛋白,遺伝子型,感染性