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文学にみる病いと老い

第96回 「第三の男」グレアム・グリーン

長井苑子泉孝英

Pharma Medica Vol.34 No.12, 102-108, 2016

今年は,第二次世界大戦*1 が終わって71年目である。現代史*2 を高校できちんと教わっていたわけではないが,大戦前後の欧州の状況は,本や映画である程度のイメージを持っている。
なかでも,爆撃で廃墟同然と化したウィーン*3 を舞台とした『第三の男』は,実は,本よりも映画のイメージが強い。趣味のギター*4 仲間とアンサンブル*5 を組んだとき,主題曲みたいなものを何にするかが問題となったとき,反対なく決定したのが,アントン・カラス*6 のチター*7 の演奏で有名になった『第三の男』であった。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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