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特集 大腸癌診療 update 2016

大腸癌の疫学と早期診断・治療の進歩

卜部祐司田中信治

Pharma Medica Vol.34 No.12, 9-13, 2016

食生活を中心とした生活環境の変化や高齢化などで,日本では大腸癌患者が増加の一途を辿っている。国立がん研究センターがん対策情報センターの発表1)によると,大腸癌は癌死亡数が多い臓器順において全体で2位(男性3位,女性1位),癌罹患数はすべての癌のなかで最も多く(男性2位,女性2位),日本人における主要な癌発症部位の1つである(図1)。大腸癌に対する癌検診の有用性については,米国において大腸内視鏡を主体とした大腸癌スクリーニングの強化により,男女ともに大腸癌罹患率・死亡率は減少傾向に転じており2),リンパ節や遠隔転移のないStageⅡ以下の大腸癌であれば85%の5年生存率が期待できる3)ことから,大腸癌の早期発見・早期治療は重要である。本稿では大腸癌の疫学と早期診断・治療に関する現状について示したい。
「KEY WORDS」大腸癌,疫学,リスクファクター,早期診断・治療

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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