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特集 統合失調症診療の新たな展開

アドヒアランスに着目した薬剤師の関わり方

坂東寛桐野靖

Pharma Medica Vol.34 No.9, 49-52, 2016

「はじめに」統合失調症の治療は,薬物療法と精神療法やリハビリテーションなどの心理社会的な治療を組み合わせて行う。薬物療法は急性期から回復期とすべての時期において重要であり,適切な薬剤を長期間服薬する必要がある。しかし,統合失調症の患者は,陰性症状や認知機能低下,病識の欠如などの理由から,服薬の継続が困難である場合が多い。服薬を中断すると,統合失調症の再発リスクが約5倍上昇することが報告されている1)。さらに,アドヒアランス不良の患者は,再入院のリスクが高いことも報告されている2)。再発を繰り返せば薬物療法に対する治療抵抗性が増大し,社会復帰が困難となる。以上のことから再発を防ぎ,quality of life(QOL)を維持させるためにも,アドヒアランスの向上が求められる。
「KEY WORDS」アドヒアランス,薬剤師,統合失調症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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