特集 統合失調症診療の新たな展開
当事者同士による支援
Pharma Medica Vol.34 No.9, 45-48, 2016
「はじめに」精神障害者退院促進支援事業(2003年)が始まって以来,地域差はあるものの精神科治療の現場にピアサポーターが来訪し,「当事者同士による支援」を展開する光景が普通にみられるようになった。この事業は,社会保障審議会障害部会報告書(2002年)にうたわれた「入院医療主体から,地域における保健・医療・福祉を中心としたあり方へ転換する」という方向転換の切り札としての期待をもって始まった。そしてこの事業は,長期入院者の地域移行を促進させる手立てとしては,期待した結果をもたらしたとはいえないものの,専門家主体の精神医療の現場に,ピア・サポートという世界の潮流を呼び込む大きな契機となったように思われる。
「KEY WORDS」ピア・サポート,リカバリー,セルフヘルプ,退院促進
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。