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特集 アルツハイマー型認知症診療のBreakthrough

アルツハイマー型認知症および認知症の疫学研究

Epidemiologic study of Alzheimer's disease and dementia.

石垣征一郎小野賢二郎

Pharma Medica Vol.34 No.7, 9-12, 2016

「はじめに」日本は超高齢社会であり,総務省統計局のまとめによると,2014年の65歳以上人口は3,384万人とされている。総人口に占める割合は26.7%で,4人に1人以上は高齢者である1)。また平均寿命は,男性80.50歳で世界第3位,女性は86.83歳で世界第1位である。なお,1994年の平均寿命が男性76.57歳,女性82.98歳であり,20年で平均寿命は男女共に約4歳高くなっている。2016年現在,平均寿命はさらに高いのかもしれない。加齢は認知症の要因になるので,高齢化に伴い認知症患者数が増えていることは容易に想像でき,現に社会問題になっている。内閣府の発表では,日本では世界で例にない速度で高齢化が進んでいる。高齢化の速度について,高齢化率が7%を超えてからその倍の14%に達するまでの所要年数を比較すると,フランスが126年,スウェーデンが85年,英国が46年,ドイツが40年であるのに対し,日本は,1970年に7%を超えると,その24年後の1994年には14%に達している。また,これまで高齢化が進行してきたのは先進諸国であるが,開発途上国においても,高齢化が急速に進展すると見込まれている2)。
「KEY WORDS」アルツハイマー型認知症,認知症,疫学,高齢化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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