「はじめに」腎臓近位尿細管に局在するナトリウム依存性グルコース輸送担体2(sodium-glucose co-transporter 2;SGLT2)は,糸球体より濾過されたグルコースの尿細管での再吸収に重要な役割を演じている。実際,濾過されたグルコースの約90%はSGLT2により,残りの10%はより下流に存在するSGLT1により再吸収される。持続高血糖症例において尿グルコース増加は,近位尿細管におけるSGLT2を介した血糖とナトリウムの再吸収増加,遠位側への塩化ナトリウム供給量低下を惹起し,tubuloglomerular feedback(TGF)の破綻,糸球体高血圧を誘導する可能性がある。SGLT2阻害薬は近位尿細管におけるグルコース再吸収阻害を介してTGF正常化を誘導し,糸球体高血圧を是正する可能性がある。
「KEY WORDS」糸球体高血圧,ナトリウム依存性グルコース輸送担体2,単一ネフロンGFR,尿細管・糸球体フィードバック
「KEY WORDS」糸球体高血圧,ナトリウム依存性グルコース輸送担体2,単一ネフロンGFR,尿細管・糸球体フィードバック