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特集 内視鏡外科手術の現状と問題点

下部消化管内視鏡外科手術

Laparoscopic surgery for colorectal cancer.

須並英二天野隆皓赤井隆司豊島明

Pharma Medica Vol.34 No.3, 17-22, 2016

「はじめに」歴史的には,腹腔鏡下大腸切除術はJacobらにより1991年に世界ではじめて報告され,わが国では1993年に渡邊らにより報告がなされた。以来,低侵襲手術実践のための手技として注目され,普及,発展している。保険の面では,1996年に早期癌が対象として認可され,2002年には早期癌に限定せず大腸癌すべてに適応が拡大された。その安全性や有用性に関しては多岐にわたる検証がなされ,整容性はもとより,合併症の少なさ,機能温存に関しての有用性,腫瘍学的に問題のないこと,などの報告がなされている。わが国では,技術の進歩を背景に,手技の定型化がエキスパートを中心に推進された結果,腹腔鏡下大腸手術は急速に普及し,2014年の内視鏡外科学会におけるアンケート調査では,2013年には結腸癌,直腸癌ともに約57%が腹腔鏡下に施行されているという報告がなされている。本稿では,大腸癌領域における内視鏡下手術の現状とその将来展望に関して概説したい。
「KEY WORDS」腹腔鏡下手術,大腸癌,低侵襲手術,ロボット手術

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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