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特集 腸内細菌up to date:今まさに明らかになりつつある全身疾患への影響

腸内細菌と宿主免疫系の相互作用

The interaction between microbiota and host immune system.

中村篤央長谷耕二

Pharma Medica Vol.33 No.10, 9-14, 2015

「はじめに」内なる外であるヒトの腸管腔内には,ヒトの体細胞の数を上回る100兆個もの腸内細菌が生息している1)。これらの多くの細菌に加え食物由来の抗原と常時接している腸管には,生体最大の免疫系が存在し,病原菌や異物の侵入を防いでいる。腸管免疫系は,外来の病原菌や異物に対しては適切な生体防御機能を発揮する一方で,無害な菌や食事性成分には過剰な免疫反応を抑制し寛容状態を保つよう巧妙に制御されている。腸内細菌も宿主からみれば異物であるが,免疫系は腸内細菌叢の多様性を維持する方向に作用することも知られている。近年における次世代シーケンサーを用いた解析技術の発達により,腸内細菌に関する研究は長足の進歩を遂げた。すなわち,16S ribosomal RNA(rRNA)遺伝子の網羅的解析に基づき,優勢菌種に隠れて検出できなかった菌の存在や難培養菌の検出が可能となったことで,ヒト腸内細菌叢を構成する菌種組成の全貌が明らかとなった2)。
「KEY WORDS」腸内細菌,腸内代謝物,短鎖脂肪酸,制御性T細胞

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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