「はじめに」1973年にKhachadurianらがはじめて劣性遺伝性形式の家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia;FH)家系の存在を記載し,1992年には日本(国立循環器病研究センター:斯波博士ら)から同様の症例が報告された。2001年にGarciaらによりLDL受容体アダプター蛋白(LDLRAP1蛋白)の欠損による疾患であることが報告され,autosomal recessive hypercholesterolemia(ARH)と呼ばれるようになった。ARHはきわめてまれな疾患であるが,LDL受容体の取り込みに関与するアダプター蛋白であるLDLRAP1蛋白の欠損症を詳細に解析することで,LDLRAP1蛋白のみならずLDL受容体の機能が明らかとされた。本稿では自験例を交えて,LDLRAP1蛋白欠損症であるARHとLDL受容体の欠損症であるFHを比較し,LDLRAP1と病態の関連を考察したい。
「KEY WORDS」遺伝子治療,家族性高コレステロール血症,常染色体劣性遺伝性高コレステロール血症,LDL受容体,LDL受容体アダプター蛋白
「KEY WORDS」遺伝子治療,家族性高コレステロール血症,常染色体劣性遺伝性高コレステロール血症,LDL受容体,LDL受容体アダプター蛋白