特集 加齢黄斑変性:疫学から治療まで
滲出型加齢黄斑変性の診断(特殊型も含む)
Diagnosis of exudative age-related macular degeneration.
Pharma Medica Vol.32 No.10, 31-35, 2014
「はじめに」加齢黄斑変性(age-related macular degeneration; AMD)は大きく滲出型および萎縮型に分類される。欧米では萎縮型が多いとされているが,わが国ではそのほとんどが滲出型である。滲出型AMDは,黄斑部内の中心窩またはその近傍に脈絡膜新生血管が発生し,その脆弱な新生血管からの液性成分の漏出や出血により視機能障害を生じる疾患である。その診断においては,脈絡膜新生血管という異常血管を証明する必要があるため,蛍光眼底造影検査が必須である。蛍光眼底造影は,新生血管を証明するだけではなく,その形状や範囲などを把握することでAMDの病型を分類するために現在でも重要であるが,造影剤を使用する侵襲的検査であり,病状の経過観察時に何度も繰り返し実施するのは困難であった。近年網膜の断層像を簡便に観察可能な光干渉断層計(optical coherence tomography; OCT)が登場し,現在では眼科の臨床の現場ではなくてはならないものとなっている。OCTは,黄斑部の浮腫や腫脹などの形態的異常を非侵襲的かつ簡便に検査可能であることから,AMDの診断および治療効果判定などの経過観察にも使用されている。本稿では,従来から行われている蛍光眼底造影によるAMDの診断と,それぞれのOCT所見について解説する。
「KEY WORDS」典型加齢黄斑変性(典型AMD),ポリープ状脈絡膜血管症(PCV),網膜血管腫状増殖(RAP)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。