【特集 月経困難症を診る】
月経困難症の治療薬:有効性と安全性 鎮痛薬と漢方薬
Pain relievers and Kampo medicines.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.32 No.6 23-26,
2014
著者名
小川 真里子
/
高松潔
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」月経困難症は月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状を指し1), その有病率は16~91%と報告によって大きな差があるが, 重症例は2~29%にみられるとされ2), そのために学校生活や仕事を中断せざるを得なくなる例にもしばしば遭遇する. 月経困難症は, 社会生活に支障をきたすのみならず, 月経困難症を有する女性の健康関連QOLは正常女性に比して有意に低かったという報告もあり3), 適切な治療が不可欠な疾患である. 月経困難症は器質性と機能性の2つに大別されるが1), そのうち機能性月経困難症の主な治療法としては, 鎮痛薬, 低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤, 漢方療法などがある. なかでも鎮痛薬は最初に考慮される治療法であるうえ, 薬局でも入手することができるため, 多くの女性に使用されている. また漢方療法はすべての年齢において使用でき, 副作用の心配も少ないことやその安全なイメージからも, 患者やその家族が希望することも多い.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。