【特集 月経困難症を診る】
月経困難症の診断:問診,婦人科的診察,画像診断
Differential diagnosis of dysmenorrhea.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.32 No.6 17-21,
2014
著者名
江川美保
/
木戸晶
/
小西 郁生
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
神経疾患
診療科目
産婦人科
/
手術・救急
/
放射線科
媒体
Pharma Medica
「はじめに;月経困難症とは」月経困難症(dysmenorrhea)とは, 月経期間中に月経に随伴して起こる病的状態をいい, 下腹痛, 腰痛, 腹部膨満感, 嘔気, 頭痛, 疲労・脱力感, 食欲不振, いらいら, 下痢および憂うつの順に多くみられる. 無排卵性月経には通常みられない1). 症状が重い場合は日常生活の活動性, つまり学業, 家事, 仕事, 社会的活動などに支障をきたすことになり, 個人の生活設計の観点からも社会経済的観点からも, 適切な診断と対処が求められる重要な女性のヘルスケア課題の1つである. 月経困難症は, 月経痛(menorrhalgia)が骨盤内の器質的異常に起因する「器質性(続発性)月経困難症」と, 器質的異常が認められない「機能性(原発性)月経困難症」とに大別される. 機能性月経困難症は初経後2~3年より始まる. 月経の初日および2日目ころの出血が多いときに強く, 痛みの性質は痙攣性, 周期性で, 原因は頸管狭小やプロスタグランジンなどの内因性生理活性物質による子宮の過収縮と考えられている1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。