【特集 月経困難症を診る】
月経困難症の実態と課題:なぜ今それが重要か
Actual situation and problems of dysmenorrhea: why it is important now.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.32 No.6 13-16,
2014
著者名
北脇 城
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
診療科目
産婦人科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」月経困難症は, 月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状をいう. 下腹痛, 腰痛, 腹部膨満感, 嘔気, 頭痛, 疲労・脱力感, 食欲不振, いらいら, 下痢, および憂うつの順に多い. 月経困難症は, 器質的な疾患によらない機能性(原発性)月経困難症と, これに対して子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的疾患がその原因となる器質性(続発性)月経困難症に分類される. 頻度は, 機能性月経困難症が約半数, 子宮内膜症性月経困難症が1/4である. 思春期の月経困難症はほとんどが機能性であるが, 器質性月経困難症, すなわち子宮・腟奇形によるもの, あるいは若年の子宮内膜症が含まれていることも事実である. さらに, 機能性月経困難症であっても女性の生活の質(quality of life;QOL)を大きく損なうものであるにもかかわらず, 無治療で済ませてよいのか, あるいはこれを放置することによって将来子宮内膜症が発症しやすくなるのではないか, という危惧がある.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。