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特集 乳癌診療の新しい展開Ⅰ

外科診療の新たな展開

New development of breast surgery.

髙田正泰戸井雅和

Pharma Medica Vol.32 No.4, 39-45, 2014

[はじめに] 乳癌の治療は集学的治療よりなるが, 乳癌を局所病として捉えたHalstedのコンセプトから, Fisherの全身病仮説, BRCA遺伝子異常などの高リスク症例に対応する予防治療の考え方などが局所療法の底流にあり, 外科治療はそのなかで縮小化・低侵襲化とともに個別化, 整容性の確保の方向に進んでいる. 病期, 乳房内腫瘍進展, 腋窩リンパ節転移の状況, 腫瘍のsubtype, 年齢, 患者自身の選択などをベースに局所療法, 全身療法をプランニング, 全身療法先行の場合には治療効果予測, 効果モニタリングをしながら局所療法を考慮する. 腋窩の診断, 治療については, 新しいセンチネルリンパ節(sentinel lymph node; SLN)切除の手技手法の開発, 転移診断の進歩, 転移陽性例の非郭清治療, 放射線治療との集学的治療, 術前全身治療施行前後の腋窩診断, 治療などに関する新しい知見が相次いで発表され, それらの臨床導入が進んでいる. 本稿では, 乳癌外科診療の最近の動向について述べる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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