【特集 2型糖尿病の新しい処方戦略】
インスリン治療の進化と課題 インスリン早期導入効果とインスリン後期導入における工夫:インスリン治療の現状
Effects of insulin therapy in early stage of T2DM and starategy for insulin therapy in late stage of T2DM.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.32 No.2 63-69,
2014
著者名
勝野 朋幸
/
楠宜樹
/
難波 光義
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」わが国の糖尿病患者は, 2012年度厚生労働省の国民健康・栄養調査1)では糖尿病が強く疑われる人, 糖尿病の可能性が否定できない人をあわせて2,050万人と推測されている. そのうち糖尿病が強く疑われる人の約4割が未治療という結果であった. 軽症糖尿病では自覚症状が乏しく, 糖尿病の指摘後も放置している人も多いため, 血糖管理不良や合併症が進行して自覚症状が出現してから, ようやく医療機関を受診する場合も多く認められる. 糖尿病性腎症が1998年に人工透析新規導入の原因疾患として第1位となって以降その数はさらに増加し, 糖尿病網膜症による失明も年間3,000人以上といわれている. 糖尿病治療において良好な血糖コントロールを行い合併症の発症・進行抑制をすることは非常に重要である. さらに軽症のうちに医療機関を受診してもらい, 早期介入を開始しそれぞれの患者の状態に応じた治療法を選択することが, 新規合併症の発症抑制という点に加えて, 膵β細胞保護につながっていく.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。