【特集 2型糖尿病の新しい処方戦略】
インスリン治療の進化と課題 MDI vs.BOT
MDI(multiple daily injection). vs. BOT(basal supported oral therapy).
掲載誌
Pharma Medica
Vol.32 No.2 57-61,
2014
著者名
大工原裕之
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
Pharma Medica
「はじめに」当院外来における2型糖尿病患者へのインスリン導入は, 持効型溶解インスリンアナログ登場後よりその手軽さからbasal supported oral therapy(BOT)から開始するケースが大部分であり, 必要に応じてbasal plus, basal 2 bolus(B2B), basal bolus therapy(BBT)へと追加インスリンを1回ずつ足していく方法を取ってきた. しかし最近は, 後述するdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬+追加インスリン3回注射から開始するケースが増えていて, 毎食後の血糖値を良好にコントロールして糖毒性を短期間で劇的に解除することで, 比較的早期のインスリン離脱者が増加している. また, 入院患者においては原則的にmultiple daily injection(MDI)による強化インスリン療法を施行している. 本項ではまず, MDIとBOTの方法と長所, 問題点を述べた後に, インスリンと併用可能となったDPP-4阻害薬をベースとしたMDIとBOTの実臨床データを示し, 両方法のまとめに進みたい.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。