【特集 2型糖尿病の新しい処方戦略】
インクレチン治療薬の処方戦略 2型糖尿病治療におけるそのポジショニング
Positioning of incretin-based therapy in type 2 diabetes.
掲載誌
Pharma Medica
Vol.32 No.2 35-39,
2014
著者名
濵崎暁洋
/
稲垣 暢也
記事体裁
抄録
疾患領域
糖尿病
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
Pharma Medica
「I. 2型糖尿病の病態」2型糖尿病ではインスリン分泌低下とインスリン感受性の低下とが患者によってさまざまな程度で関与し, 相対的なインスリン作用不足を生じ慢性的な高血糖状態を呈する. 特にインスリン分泌については, 経年的なインスリン分泌能の低下がいわれており, われわれも横断的な検討で2型糖尿病患者の罹病期間が長いほど, インスリン分泌能が低下していることを報告している(図1). さらに, インスリン分泌能の低下には罹病期間のほか高血糖による糖毒性も関与する. 特に食後のインスリン追加分泌がHbA1cの高い時に低下する傾向にある(図2). この関係はグルカゴン負荷後のインスリン分泌ではみられず(図2), 食後のインクレチンを含めた諸刺激を介したインスリン分泌作用の障害を示唆している. また, 2型糖尿病においてはグルカゴン分泌が亢進している. このグルカゴンについては, 特に経口糖負荷後の分泌抑制障害が示されており, グルカゴン分泌調整におけるインクレチン作用障害が考えられている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。