特集 めまい:診断と治療
良性発作性頭位めまい症の診断と治療
Benign paroxysmal positional vertigo.
Pharma Medica Vol.31 No.10, 33-36, 2013
「はじめに」良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo;BPPV)は, 末梢前庭性めまい疾患のうち最も頻度の高い疾患の1つで, 耳鳴り, 難聴などの蝸牛症状や中枢神経症状は伴わず, 頭位変化により誘発されるめまい発作を特徴とする疾患である. めまいは通常, 短時間に消失し回旋成分の強い眼振を認め, 頭位変換によって眼振は逆転する. 予後は比較的良好で自然治癒する症例も多いが, なかにはめまいが持続する難治例も存在する. 一般にBPPVは, 病巣部位にかかわらず, 高齢者に好発し50~60歳代の女性に多い1)-3). 加齢により変性脱落した耳石が半規管内に迷入することが推測されている. 「I. 分類」「1. 病態による分類」「1)半規管結石症(Canalithiasis)」耳石器から脱落し半規管のなかに入り込んだ結石が頭位変化で半規管内を移動することによって内リンパ流動が引き起こされ, クプラが偏位しめまいと眼振が出現する.
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