特集 めまい:診断と治療
メニエール病の診断・治療
Diagnosis and treatment of Meniere's disease.
Pharma Medica Vol.31 No.10, 29-31, 2013
「はじめに」メニエール病は難聴, 耳鳴, 耳閉感などの聴覚症状を随伴するめまい発作を反復する疾患である. めまい発作時は, 寝ているだけで何もできない, 仕事に従事できないなどの高度のめまいがあり, また, めまい発作の反復が制御できない場合は難聴が進行し, 難聴耳が両側化するなど患者の社会生活上の影響が大きく, 1974年に厚生省(当時)により特定疾患(難病)に指定されて以来, 約40年にわたり疫学, 基礎, 臨床的研究が継続されてきた. 前庭機能異常調査研究班では2008年に診断基準を改訂, 2011年に診療ガイドライン1)を作成した. 本稿ではこれらの内容を基本にメニエール病の診断と治療について概説する. 「I. メニエール病の診断基準と診断にあたっての注意事項」メニエール病の診断基準1)では, メニエール病の病態を「内リンパ水腫」としたうえで, 表に示したように確実例, 非定型例(蝸牛型)と同(前庭型)に分類して疾患を定義した.
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